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コラムについて

 産金学官士連携活動に関連した事柄について、各界の方へ寄稿をお願いいたしました。さらに、詳しく確認されたい事、ご意見等ございましたらコメント欄に記入いただければ、コラムニストの方にご対応いただきます。
コラムニスト
【月曜日】「学」:電気通信大学 前学長 学長顧問 梶谷 誠 先生
【火曜日】「金」:元みずほ投信投資顧問磯(株)磯上 壮太郎様
【水曜日】「産」:元京都大学産官学連携本部(産官学連携センター)特任教授
    元 三菱化成工業㈱(現三菱化学㈱)知的財産部長、執行役員 宗定 勇 様
【木曜日】「金」:元新日本証券(株)知久 信義 様
【金曜日】「学」:元国立研究開発法人物質・材料研究機構 
博士(学術) 原 龍雄 様
【土曜日】「碁」:株式会社 石音 代表取締役、一般社団法人 全日本囲碁協会 理事 根本 明様

 
ご質問、ご紹介等を希望される場合、以下よりお問い合せください。

 

コラム1

コラム >> 記事詳細

2019/05/20

1.実体験による知的体力を!(2)梶谷誠 先生

Tweet ThisSend to Facebook | by サイト管理者
前述では、わざわざ実を付して実体験と書きました。最近は、バーチャル体験(虚体験?)も多くなっているからです。本で読んだことだけや人から聞いたことだけを頼りにして分かったような気になること、コンピュータが作り出す映像を見てそれが現実と思うことなど、われわれの周りには、バーチャル体験で済まそうとする誘惑が満ちています。われわれが関係する科学技術の分野では、シミュレーションやバーチャルリアリティの技術は非常に有力なツールとして、様々に利用されています。それだけに、それはあくまでわれわれの体験を支援するツールであることをわきまえておかねばなりません。なぜなら、それらのツールは、現実の世界の実際の経験すなわち実体験に基づき作られているのであり、実体験がなくなると進歩は止まってしまうからです。
私は、皆さんにぜひ本学で豊富な体験をしていただきたいと願っています。これまでに 述べたように、体験があなたの財産になります。あなたの体験はあなたにしか作用しません。それがあなたの個性になります。本に書いてあることや、皆が知っていることは、価値はありません。あなたが他との違いを出せるのは、あなた自身の体験とそれに基づく創造と判断です。
体験を深める基本は「コミュニケーション」にあります。人間関係の体験は、コミュニケーションそのものであることは論を待たないでしょう。どのような時代になっても、世界のどこにいてもわれわれの生活(仕事を含めて)は、つまるところ人間関係に大いによっているのです。在学中に積極的に生身の人間とのコミュニケーションをはかり、信頼できる友を作ってほしいと思います。また、われわれは自然の中の一員としても、自然とのコミュニケーションをはからねばなりません。それが人類が将来も自然と共存できる条件ではないでしょうか。実は機械やシステムと呼ばれるエンジニアが作り出す人工物についても、人間と機械とのコミュニケーション(ヒューマンインターフェイス)が非常に重要になっています。本学は、このような広い意味のコミュニケーションの概念を中心に据えて教育と研究活動を展開していこうと思っています。皆さんも電気通信大学に学ぶからには、本学で学ぶ特徴を生かすことが、将来の展開に有利なはずです。このことを意識してこれからの勉学の計画をたてることをお勧めします。
電気通信大学は、すばらしい大学です。この大学の場を利用して、どん欲に実体験を得るならば、将来のあなたには莫大な利息が付くでしょう。しかし、あなたが自ら何かを得ようとしなければ、あなたはせっかくのチャンスを失い、大いなる損失を受けることになります。
さあ、まずなによりも身体を鍛えるとともに、実体験による知的体力も鍛えてください。


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